フッ素塗料は、現在外壁塗装のメインで使われているシリコン塗料のさらに上のグレードの塗料です。
元々は、塗装の塗り替えコストが非常に大きい、高層ビルや高層マンションの塗装のために開発されました。

ただ最近では、寿命の長い外壁塗装を望む方も多く、一般住宅の外壁塗装にも活用されるようになってきています。
ここでは、そんなフッ素塗料の特徴や注意点について詳しく紹介していきたいと思います。

 

写真:塗料

目次

フッ素塗料とは?

フッ素塗料は、フッ素系の樹脂が主成分の塗料のことを指します。
フッ素樹脂はテフロン加工などに使われているもので、とても汚れに強い性質を持っています。
テフロン加工が施されたフライパンは、汚れをまったく寄せ付けませんよね。

フッ素塗料は、テフロン加工が施されたフライパンのように、水や汚れをはじき建物をきれいな状態に保ちます。
そのため、外壁材や建物の骨格を強固に保護することのできる塗料として注目を集めているのです。

フッ素塗料のメリット

フッ素塗料は、外壁塗装に使われる塗料の中でも非常に多くのメリットを持つ最高ランクの塗料です。
まずは、フッ素塗料が持つメリットを詳しく紹介していきましょう。

耐久性が高く非常に長持ちする

フッ素塗料の最も大きなメリットは、非常に高い耐久性にあるといえるでしょう。
15年以上は持つと言われており、一度塗装を行うと長期間に渡り建物を風雨や紫外線から守ってくれます。

耐用年数が長いということは、それだけ塗装の回数を減らすことができるということです。
これは、長期的なメンテナンスコストを削減する効果につながってきます。

外壁塗装にかかる費用は、塗料の値段だけではありません。
むしろ費用の半分以上は、足場や人件費にかかるコストとなっています。
塗装の回数を減らせれば、それだけ足場代や人件費を削減できます。
そのため、長い目で見ればコストパフォーマンスにも優れた塗料ということができるでしょう。

フッ素塗料の主な特徴や予算はこちらでも紹介しております。

様々な能力に優れる

フッ素塗料は、外壁塗装に求められる様々な能力を高次元に備えています。
だからこそ、高い耐久力を誇っているのです。
フッ素塗料が備えている性能は、以下のようなものがあります。

非粘着性

非粘着性というのは、表面に粘着性がなく他の物質をはじく性質のことです。
この性質があるからこそ、フッ素塗料は汚れや水をキレイに弾きます

非粘着性のおかげで、フッ素塗料で塗装された外壁は、長期に渡り美しい外観を維持することができます。
また、汚れが付着しにくいので、お手入れも非常に簡単です。

耐候性

耐候性に優れるということは、紫外線による劣化に強いことを意味しています。
外壁塗装は365日、日光による紫外線の影響を受けています。
そのため耐候性に優れることは、外壁塗装に使用する塗料に求められる性能の中でも非常に重要な性能となります。

樹脂は紫外線で必ず劣化しますが、耐候性が高ければ高いほど劣化のスピードは遅くなります。
フッ素塗料は紫外線による劣化スピードが遅いため、優れた耐久性を誇るというわけです。

耐熱性

フッ素塗料は耐熱性にも優れており、建物を太陽光の熱から守ってくれます。
特に、外壁に最もよく使われている窯業系サイディングは、熱により変形するおそれもあります。
そのため、耐熱性に優れた塗装は建物を長持ちさせる上で非常に重要です。

また、塗装自体も熱により劣化することがないので、耐久性の高さにも耐熱性が一役買っています。

親水性

親水性というのは、水になじみやすいことを指しています。
親水性が高いと塗料表面に水が広がりやすくなるので、雨水で表面の汚れが落ちやすくなります。

基本的に清掃していなくても、雨が降るたびに表面に付着した汚れが洗い流されます。
また清掃を行う際も、さっと水をかけるだけで大抵の汚れは落とすことができるでしょう。
メンテナンスが非常に楽なことも、フッ素塗料の大きなメリットと言えます。

耐薬品性

フッ素塗料は、薬品に強いという特徴も備えています。
外壁ではあまり関係がなさそうな性能ですが、実はそうでもないのです。

最近では大気汚染により、酸性雨が降ることも懸念されます。
耐薬品性を備えていれば、酸性雨が降ったとしても塗装が劣化を抑えることができるのです。
耐薬品性に優れていることも、フッ素塗料の耐久性の高さを助けています。

耐摩耗性

フッ素塗料は、摩耗にも非常に強い塗料となっています。

毎日雨風にさらされる外壁塗装は、ほこりやチリなどによる摩擦に常にさらされています。
そのため、摩耗に弱い塗料はすぐに表面に傷がつき、ツヤがなくなってしまいます。
つまり、摩耗に強いということは、ツヤが長持ちするということです。

塗料や環境にもよりますが、20年で10%程度しかツヤが減少しないとも言われています。
そのためフッ素塗料は、長期に渡り美しい外観を維持することができる塗料と言えるのです。

防藻、防カビ性

フッ素塗料には、藻やカビの発生を防ぐ効果もあります。
特に湿気の多い立地の建物は藻やカビが生えやすいので、防藻・防カビ性能は非常に嬉しいですね。

ただし、まったく掃除しないまま放っておくと、徐々に藻やカビは発生してしまいます。
そのため、定期的な清掃はフッ素塗料であっても必要なのです。
フッ素塗料なら親水性が高いので、水をかけるだけでもある程度の汚れは落とすことができるでしょう。

フッ素塗料のデメリット

とても高機能なフッ素塗料ですが、まったく弱点がないというわけでもありません。
いくつかのデメリットがあるので、十分検討してから採用する必要があるでしょう。

価格が高い

高機能なフッ素塗料が広く使われない理由は、価格の高さがネックとなっているからです。
1㎡当たりの塗料の金額は4000円~4500円程度となっており、これは現在主流で使われているシリコン塗料の1.5倍~2倍程度の価格となっています。

塗料の単価が高ければ、一度の塗装工事にかかる費用はそれだけ高額になります。
そのため、施行費用をなるべく抑えたい場合はなかなか採用が難しい塗料といえるでしょう。
ただ、金額に見合うだけの性能は持っているので、損をする心配はありません。

短いスパンでの塗り替えは不可能

フッ素塗料は長持ちするため、短いスパンで家の外観を変えたい方には向きません。
塗料の価格が高価なため、短いスパンでの塗り替えはもったいないのです。

また、劣化が進んでいないフッ素塗料は、塗り重ねることがそもそも難しいので注意が必要です。
高い非粘着性が発揮されている状態だと、どんなに高機能な下塗り材でも弾いてしまうのです。

定期的に外壁の色を替えてイメージチェンジを楽しみたい場合は、フッ素塗料は不向きとなります。

フッ素塗料の力が最大限発揮できる場面

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外壁塗装に求められる機能のほとんどを、フッ素塗料は兼ね備えています。
ただ、価格が高いため、全てをフッ素塗料で塗装するのは難しいというケースもあるでしょう。

そこで、フッ素塗料が特に活躍するケースをいくつか紹介していきましょう。

塗り替え頻度を極力減らしたい

外壁塗装のリフォームを行っている最中は、臭いや人の出入りなど気になることが多いです。
また、業者との打ち合わせなど、面倒な作業もたくさんあります。
そのため、極力少ない回数で済ませたいと考える方もたくさんいると思います。

そこで、15年以上も長持ちするフッ素塗料で外壁を塗装しておけば、塗り替えの回数を最小限に抑えることができます
塗装の回数が減ればそれだけコストダウンにもつながるので、資金に余裕がある場合はオススメの塗料と言えるでしょう。

屋根への塗装

屋根は、外壁よりも紫外線や雨の影響をもろに受けるので塗装の劣化が最も激しい部分です。
そのため、耐久性の高いフッ素塗料が最大限の力を発揮する部分といえます。

フッ素塗料は高価ですが、屋根は外壁に比べて面積も小さいため、価格の高さもそこまで気になりません。
どこか一箇所だけフッ素塗料にするなら、迷わず屋根を選択するべきです。

また、屋根をフッ素塗料、外壁をシリコン塗料と塗り分けておけば、劣化するタイミングを合わせることもできます。
劣化のタイミングが合えば、足場代や人件費などを無駄なく活用できるので、最もお得に外壁と屋根の塗装を実施することができるといえます。

フッ素塗料が活躍している建物

非常に高い耐久性を誇るフッ素塗料は、頻繁に塗りかえることが難しい建物の外壁塗装に良く使われています。
たとえば、高層ビルや高層マンションのような建物ですね。

このような建物は、塗装に必要な足場を確保するだけでもかなりの費用がかかります。
だからこそ、なるべく塗り替えなくてもいいように、耐久性の高い塗料が必要となるのです。
フッ素塗料は、塗り替えが難しい場所の耐久性を高めるために開発されたという経緯もあるくらいです。

耐久性の高いフッ素塗料は、大型商業施設や高層ビルのような、塗り替えのコストが非常に大きくなる施設では幅広く採用されています。
有名なところだと、東京スカイツリーや六本木ヒルズにも採用されているのです。
これらの実績からも、フッ素塗料の耐久性は信頼性が非常に高いことが分かります。

建て直しの予定がある場合は注意

家を建て直す可能性がある場合は、フッ素塗料による塗装が無駄になるおそれがあります。
フッ素塗料は15年以上持つので、それまでに建て直してしまうと耐久力を使いきる前に取り壊すことになるのです。

フッ素塗料は高価なため、まだ使えるのに取り壊しになるともったいないです。
建て直しを15年以内に予定しているようなら、フッ素塗料にかけるお金が無駄になってしまいます。
建て直しの予定も考慮したうえで、相応の耐用年数を持つ塗料を選択するようにしてください。

フッ素塗料の良くある誤解

フッ素塗料は、そこまで歴史の長い塗料ではないので、色々と改良も加えられています。
そのため、一昔前はデメリットとしてあげられていた部分が改善されていることも数多くあるのです。

そこでここからは、フッ素塗料で誤解されていることをいくつか解説していきます。

フッ素塗料以外が使えなくなる

フッ素塗料には非粘着性という性質があるので、一度フッ素塗料を塗ってしまうと次回の塗り替えもフッ素塗料でなければならないと言われています。
フッ素塗料以外の塗料では密着性が非常に悪くなり、塗り重ねることができないということです。

しかし最近では、下塗り材も高機能なものが開発されています。
そのため、フッ素塗料の上から他の塗料を塗ることも可能になっているのです。

ただし、フッ素塗料がある程度劣化していないと、下塗り材すらはじいてしまいます。
このような状態では、フッ素塗料すら塗り重ねることが難しいので注意してください。

フッ素塗料は硬いのでひび割れしやすい

通常のフッ素塗料の塗膜は、シリコン塗料よりも硬いです。
そのため、揺れなどの影響を受けてひび割れする可能性がないとは言い切れません。

しかし最近では、弾性タイプのフッ素塗料も登場しています。
弾性タイプの塗料を採用すれば、揺れが気になる立地の建物でもひび割れを気にせずフッ素塗料を使うことができます。

技術力の低い塗装業者に注意

長持ちすることがウリのフッ素塗料ですが、能力が最大限発揮されるのは適切な施行が行われた場合に限ります。
どれだけ能力が高いフッ素塗料でも、雑な施行をされると耐久力が低くなってしまうのです。

特に非粘着性という特徴を持つフッ素塗料は、下地処理が甘いと密着性が極端に悪くなります。
密着性が悪いと、塗装が外壁本体を守る力を発揮できません。
また、せっかくの高価な塗料が、すぐに剥がれ落ちたりひび割れが入ったりする原因ともなります。

フッ素塗料のメリットを最大限活かすためには、経験豊富な腕のいい優良業者に依頼する必要があります。
間違っても、訪問販売でやってくるような悪徳業者に施行を任せてはいけません。

フッ素塗料での外壁塗装はニシムラ塗装におまかせください

フッ素塗料を施行する場合、下地処理が何よりも重要な工程となります。
密着性がフッ素塗料の効果を発揮するキモとなるので、丁寧な下地処理なしではせっかくの高い塗料が台無しになるおそれもあるのです。

下地処理は手抜きが非常に多い工程なので、信頼できる業者に依頼することが何よりも大切です。

もし、フッ素塗料での外壁塗装を検討しているようでしたら、一度私たちにご相談ください。
苫小牧や室蘭、千歳周辺で多数の実績を持ち、セミナー等も定期的に開催している私たちなら、フッ素塗料の力を100%発揮できる塗装を実現することができます。

フッ素以外の塗料も豊富に取り揃えておりますので、まずはお気軽にご相談ください。