写真:サイディングボード

外壁塗装について調べてみると、サイディングボードという言葉を見かけることもあるかと思います。
得に、窯業系サイディングボードは、外壁材の主流となっているためよく目にすることでしょう。

では、外壁に使用される窯業系サイディングボードとは、いったいどのようなものなのでしょうか。
ここでは、窯業系サイディングボードを外壁材として使用することのメリット・デメリットや、塗装で注意すべきことはあるのか詳しくご紹介していきます。
より納得できる外壁塗装ができるよう、是非参考にしてみてくださいね。

目次

サイディングボードとは?

サイディングというのは、パネル状になっている外壁材のことを指します。
張り合わせるだけで外壁を完成させることができる、便利な建材です。

サイディングボードを使用すると、タイル張りのように小さな建材を張り合わせる必要や、漆喰壁のように広範囲の壁面を塗るような手間もかかりません。
もちろんその分、建築コストを抑えることができます。
コストと手間をかけることなく、非常にきれいな外壁に仕上げることができることが、サイディングの最大の特徴であるといえます。

窯業系サイディングとは?

窯業系サイディングとは、板状外壁材の一種であり、窯業によって作り上げられている建材のことを指します。
窯業とは、粘土やガラスなどの非金属原料を高熱処理する工業のことです。
窯業系サイディングはセメントに繊維質を混ぜ込んで、窯業により成型されるサイディングボードになります。

サイディングボードの種類

サイディングには、窯業系の他にも様々な種類が存在しています。
代表的なものでは、金属系や木質系、樹脂系などがあり種類が豊富です。

金属系サイディングは、その名の通り金属が原料のサイディングボードです。
現在では、主にガルバリウム鋼板が外壁用のサイディングボードとして使われています。
軽量な上に耐久性も高いため、徐々に施工する数が増えてきています。

木質系サイディングは、木材そのままのサイディングボードです。
木材の温もりを建物に付加できるため、自然派の人に人気の外壁材です。

樹脂系サイディングは、サビや寒さにとても強くひび割れしにくいのが魅力です。
耐久性が高い上に、ボードそのものをカットできるので、住宅の形状にあわせて自由に取り付けることができます。
オーダーメイドのように、しっかりとした仕上がりになる点も人気の理由の1つだといえます。

窯業系サイディングのメリット

ここからは、窯業系サイディングについて重点的に説明していきましょう。
まずは、窯業系サイディングのメリットです。
窯業系サイディングのメリットとしては、デザインが豊富にあること、耐震性や防耐火性があること、通気工法が施工できることなどが挙げられます。
では、詳しく見ていきましょう。

デザインの豊富さ

窯業系サイディングは、なんといってもデザインが豊富です。
一色では面白みのない外壁に対して、レンガ調や石積み調、タイル調といった様々なデザインを付与できます。

一見しただけでは本物のレンガとの区別がつかないくらい、クオリティの高い外壁に仕上げることができます。
同じようにデザイン性の高いモルタル外壁に比べても、安価で自由なデザインが魅力です。

窯業系サイディングは、工場で一度に大量生産できます。
そのため、価格も非常に安く済ませることも可能です。
できるだけ理想通りの見た目を安価で実現したいのであれば、窯業系サイディングが最も適しているといえるでしょう。

耐震性の高さ

窯業系サイディングは、耐震性が高い外壁材として知られています。
窯業系サイディングの重さは、モルタル壁に比べて半分以下になるので、地震が起きたとしても建物に対する負担を大幅に軽減できます。

また、金具止め工法と呼ばれる、金具を下地の段階で固定して外壁材を貼り付ける工法が取られるので、耐震性はより高まります。
金具で留められているサイディングそのものが、ある程度自由に動くことができるので、地震が起きた時に生じる負担を分散させられるのです。

防耐火性

窯業系サイディングは、セメントと繊維質を主原料に作られています。
基本的に燃えない素材ばかりなので、別名「防火外壁材」と呼ばれているくらい防耐火性が高いです。
窯業系サイディングは、建築基準法の条件を満たす不燃材料であるとして認められています。

通気工法

窯業系サイディングは、通気工法を施工することも可能です。
通気工法を採用すると、様々なメリットがあります。

まず、壁の中を乾燥させることによって結露を防ぐことができ、建物がとても長持ちします。
また、外壁から入り込んでくる雨水を壁の中まで侵入させず、屋外へとどんどん排出させます。
さらに通気層によって熱を遮断するので、外気温からの影響を受けにくいのも大きなメリットとなります。

このように窯業系サイディングに、はモルタルに比べても様々なメリットがあります。
ただ、メンテナンスはきちんと実施する必要があります。
環境次第で差はありますが、5年から15年を目安にサイディングボードを保護するために、塗装を実施するようにしてください。
さらに、20年から30年に一度はサイディングボードそのものを張り替えなければなりません。

窯業系サイディングボードの注意点

b0ad70ae5f028672169b5811cedb7679_m
窯業系サイディングボードを選択する場合、いくつか注意すべき点があります。
それは、こまめなメンテナンスが必要なことや、塗膜が剥がれてしまうと水を吸い込んでしまうということです。

窯業系サイディングは、10年に1度を目安に再塗装することが一般的です。
塗装をしなければ、紫外線や雨水の影響を受け、すぐに外壁がダメになってしまいます。
最近では耐用年数の長い塗料も増えてきていますので、希望の耐用年数に対応した塗料を選ぶといいでしょう。

長期間塗装のメンテナンスを行っていないと、本来作られているはずの塗膜が剥がれることもあります。
塗膜が剥がれるとサイディングは水を吸い込んでしまい、すぐに劣化してしまうので十分に注意しなければなりません。

サイディングの塗装のタイミングは、チョーキングの有無で判断してください。
チョーキングというのは、手で外壁を触った時に白い粉が付くかどうかです。
チョーキングは、塗膜が劣化した際に起こる現象です。

チョーキングがひどくなると、なるべく早く塗装の塗り替えをしなければなりません。
サイディングが劣化してしまうと、外壁から水が入り込んでしまい、あっという間にボロボロになります。

窯業系サイディングは最近できた建材

実は窯業系サイディングの歴史は、それほど深くありません。
昭和の後半ごろから徐々に製造され始め、安価な価格と施工のしやすさから一気にシェアが拡大しました。

窯業系サイディングが登場する前は、モルタルが住宅の外壁材として主流でした。
では、サイディングはモルタルとどのような違いがあり、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

モルタルとは?

モルタルとは、セメントと砂を水で練った外壁材です。
モルタル材を壁全体に塗り上げることで、外壁を仕上げていきます。

モルタルそのものの耐久性が非常に高いので、外壁も非常に長持ちします。
細かいひび割れやクラックが入らないようにメンテナンスをこまめにしていれば、半永久的に利用できることが大きなメリットになります。

少し前までは、住宅の外壁はモルタルが主流でした。
モルタル外壁は、モルタル材を網状の金属に塗り込んで外壁に仕上げていきます。
モルタル外壁は左官職人が手作業で仕上げていくため、非常に多彩なデザインにも対応できます。

ただ、時間の経過により家にわずかな歪みなどがでてくると、ひび割れが生じてしまうことがデメリットです。
また、10年以上経過すると、壁が黒ずんできたりカビ・苔が発生したりすることも珍しくありません。
ひび割れや、チョーキングが発生している状況なら、メンテナンスをする必要があるでしょう。

サイディングとモルタルの違いをもっと詳しく

サイディングボードで作られた外壁は、既成のパネルを張り合わせてつくります。
そのため、どうしても外壁に繋ぎ目ができてしまいます。
一方モルタルは、つなぎ目のないきれいな仕上がりにすることが可能です。

モルタルの外壁は、つなぎ目がないので補修工事もとても簡単だといえます。
モルタル材が剥がれている部分やヒビが入ったとしても、その部分だけを極めてピンポイントで修理できます。

サイディングは、下地を一度仕上げてからボードをカットしてボードとボードの間をつなげていきます。
下地とサイディングボードの間に結露を予防するシートを貼り付け、ボードの上から防汚効果が高い塗料を塗ることもあります。

モルタルは防水性があまり高くはありませんので、数年を1つの目安として防水効果のある塗料を塗るようにするなどメンテナンスが必要不可欠です。
メンテナンスを実施しなければモルタルが剥がれて浮いてくることもありますし、亀裂やひび割れを起こす可能性もあります。

また、モルタル外壁はラスという金属網を外壁に設置して、そこにモルタル材を塗り上げていきます。
構造はとてもシンプルです。

窯業系サイディングボードのリフォームにかかる費用

外壁を、モルタルから窯業系サイディングへ変更する場合は、規模にもよるものの100万円前後の費用がかかります。
モルタル外壁を全面的に塗り直すにも同じくらいの費用がかかるので、それを考えるとメリットの多い窯業系サイディングボードに換えた方が良いかもしれません。

サイディングボードの設置にかかる費用は、次のような内訳になることが多いです。

  • 材料費
  • 足場代
  • 人件費
  • 雑費

安さが魅力に感じる場合もありますが、その分なにかしらの費用を削っていることも考えられます。
そのため、あまりにも激安での塗装やリフォームを請け負っている会社の場合、仕事が雑になるかもしれません。

また、材料費はどの業者でも同じ程度かかります。
50万円近くと高額な材料費がかかりますが、安く塗装やリフォームを請け負っているような場合には、なにかの費用を大幅にカットしている可能性が高いです。
同じ坪数でありながら、価格に大きな差がある場合には「企業努力」という名目でなにかしらの費用をカットし、無理のある施工をしている可能性があるので注意してください。

サイディングへのリフォーム費用の差

モルタルからサイディングに外壁を変更する際、2種類の取り付け方が考えられます。
一つは、モルタル外壁の上からサイディングを貼り付ける方法、もう一つはモルタル外壁を一度すべて取り除いてからサイディングボードを貼り付ける方法です。

一度モルタル外壁を取り除いてからサイディングを取り付けた方が、外壁そのものを軽量化でき建物の負担は軽減できます。
しかし、コストは大きくなるので、予算との相談が必要です。
建物への負担を考えると、多少は高額になっても一度モルタル壁を剥がした方がいいでしょう。

メンテナンスの費用を抑えるなら

費用を少しでも抑えたいのであれば、次のような点を覚えておいてください。
まず、塗装とシーリングとの耐用年数をしっかりとあわせることです。
また、屋根とベランダは一度にまとめて塗装してもらうことも重要になります。

工事の際には、塗装はもちろんシーリングの耐用年数にも注目する必要があります。
シーリングはサイディングのつなぎ目をつないでいるものですが、塗装より先に劣化してしまえば塗装を剥がしてメンテナンスする必要があるケースがあります。

たとえば、塗装の耐用年数が10年間の場合でも、シーリングの耐用年数が2年や3年のものなら意味がありませんね。
塗装以外の部分でシーリングをメンテナンスする必要があり、放置すると雨水が漏れてくるなどのトラブルが起きてしまいます。

また、屋根とベランダをまとめて塗装してもらうと費用を抑えられます。
この場合には材料などをコストカットするのではなく、足場代や人件費を省くことが可能になります。
そのため、安全性、耐久性は変わりません。
それでいてしっかりとコストカットできるのであれば、とてもメリットが大きいといえるでしょう。

サイディング外壁の塗装もニシムラ塗装にお任せください。

このように、一昔前まではモルタル外壁が一般的ではありましたが、最近でサイディングボードが主流となっています。
中でも、窯業系サイディングボードは安価なため、ほとんどの新築物件で採用されています。
そのため、自宅が窯業系サイディングの外壁という人も非常に多いことでしょう。

窯業系サイディングの外壁を長持ちさせるには、塗装によるメンテナンスが不可欠です。
窯業系サイディングは水を弾く素材ではないので、塗装が劣化すると水を含んですぐに劣化してしまうのです。

もし、窯業系サイディングの塗装を検討中なら、私たちニシムラ塗装にご連絡ください。
私たちニシムラ塗装は、苫小牧を中心に多数の実績を持つ、地域密着型の塗装業者です。
もちろん、現場調査やお見積もりは完全無料で対応いたしますので、お気軽にお問い合わせくださいね。