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住宅の鉄部のサビは、一度発生してしまうと何度も繰り返し発生します。
徐々に建物の外観が損なわれるため、見た目にもみすぼらしい感じになってしまうでしょう。
また、サビが発生した部分は鉄の強度が落ちるため、階段やベランダ手すりが崩落し、大きな事故にもつながります。

鉄などの金属部分をサビから守るには、定期的な塗装などのメンテナンスが必要です。
大きな事故を起こさないためにも、サビが発生した場合は早めに処置をすることが重要です。

目次

一般的な住宅で鉄が使用されている部分

実は、建物に鉄が使用されている部分は意外と多いものです。
一般の住宅で主に鉄部を使用している箇所には、ベランダの手すりやトタン屋根があります。
そのほかにも、外壁や戸袋、階段や門扉など様々なところに使用されています。

これらの鉄部は、風雨にさらされるためサビが発生しやすい部分です。
外壁塗装時には、鉄部のメンテナンスを同時にしておくことが必要なため、ご自宅の外装のどこに鉄が使われているのか事前にチェックしておきましょう。

住宅で鉄が使われている部分
  • 屋根(瓦棒葺き・立平葺き・折板・成型金属屋根)
  • 雨戸/戸袋/雨どい/シャッター
  • 外壁(金属系サイディング)
  • 門扉/階段/ポスト
  • 柵/フェンス/ベランダの手すり

住宅に使われている鉄部がサビてしまうと、家の外観がさびれた雰囲気になるほか、鉄部の腐食が他の建材に伝染することもあります。
そのため、鉄部塗装は塗装工事の中でも重要な課題です。

屋根の板金部分

現在の一般住宅の屋根は、日本瓦や、ガルバリウム鋼板、スレートなどの素材でできています。

その中でも最も普及しているスレートは、粘土でできた薄い板で、「スレート瓦」「カラーベスト」などと呼ばれています。
薄く軽量で耐震性に優れているため、近年、屋根の素材として広く普及しています。

スレート自体は金属ではないため、サビることはありません。
しかし実は、スレート屋根の棟に取り付けられている「棟板金」と呼ばれる覆い板に、鉄素材が使われています。
「棟板金」は、屋根の三角になった面をつなぎ、住宅を雨漏りから守る重要な役割を果たしており、台風などで「棟板金」が飛ばされると、この部分から雨漏りを起こします。
「スレート屋根だから大丈夫」と油断していれば、棟板金の腐食が原因で深刻な雨漏りを招くこともあります。

屋根、雨戸の鉄部塗装

近年では、金属製の屋根、雨戸・戸袋の素材に、ガルバリウム鋼板が広く使われています。
ガルバリウム鋼板は、鉄の板を亜鉛メッキや樹脂皮膜でおおい、その上に塗装をほどこしたもので、丈夫でサビに強いことが特徴です。

しかし、屋根や外壁は常に紫外線の影響を受けているため、ガルバリウム鋼板に施された塗膜は、風雨にさらされて徐々に劣化してきます。
サビが金属屋根の全面に広がってしまった場合は、サビ落としや表面塗装では補修しきれないため、屋根全体の取り替えをしなくてはなりません。

金属系サイディングの外壁

外壁のサイディングボードには、金属素材が使われることがあります。
最近主流の金属系サイディングとしては、ガルバリウム鋼板が用いられており、表面がメッキ層で覆われているため防食機能が高く、耐久性がありサビにくいと言えます。

しかし、金属系サイディングは白サビが出やすく、素材自体が柔らかく傷つきやすいため、塗膜の劣化部分から腐食することがあります。
金属系サイディングも、一般的な耐久年数を待たずに劣化部分をチェックすることが必要で、塗装表面の状態を見ながら定期的なメンテナンスが必要です。

門扉・階段・柵の鉄部塗装

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住宅の門扉や屋外階段にも、鉄素材が使用されています。
アルミやステンレスなどサビに強い素材も使われますが、風雨にさらされる部分なので油断はできません。
また、サビに強い素材であっても、他の鉄部のサビが付着すると表面の劣化の原因となります。

さらに、環境や立地によりサビやすいことがあるため注意が必要です。
海辺や雪の多い地域では厳しい自然環境に長期間さらされるため、劣化しやすい傾向にあります。

サビが発生する原因

一般的に建物の金属部では、「サビやすい部分」と「サビにくい部分」があります。
サビの進行も様々なので、建物の鉄部の場所と劣化の状態に合わせた適切な対応が必要です。
そこでまずはサビの発生原因を理解し、建物の鉄部塗装の準備をしましょう。

通常、鉄部が綺麗に塗装膜で覆われている状態では、雨水が浸入しないためサビは発生しません。
ところが、経年劣化や外部からの衝撃で塗装塗膜に「ひび割れ」が生じ、鉄の部分がむき出しになると、そこから雨水が入ってサビが発生します。

わずかな隙間でも、鉄が酸素を含んだ雨や空気中の湿気に触れることで酸化し、「酸化鉄」となったものがサビです。
サビには繁殖性があり、放置しておくと鉄部全体に広がってしまいます。
また、サビ汁が垂れて流れ、他の部分に浸透して腐食が伝染するなどの被害が出ます。

鉄部塗装の必要性

鉄部のサビは、外観だけでなく住宅の強度の問題にも大きく関わってきます。

サビの腐食による機能と強度の低下

サビにより鉄部の強度が低下すると、ベランダや階段の手すりや柵が崩落する事故が起こる可能性があります。
崩落までいかない場合でも、キイキイときしんで手すりにつかまりにくいために、階段を踏み外すおそれもあるでしょう。

また、「鉄製ドアが重くて開きづらくなる」という機能の低下も発生します。
近年、異常気象による強風や大型台風などの到来で、鉄部の腐食から大きな事故につながる危険性もあり、鉄部の強度について定期的な点検が必須です。

サビの伝染

サビの伝染とは、サビが風雨に流されて他の部分に付着し、そこでまたサビが発生するという現象です。
「もらいサビ」という名前で呼ばれることもあります。
サビ汁が付着するだけで、その他の金属部分にサビが発生する確率が非常に高くなります。

また、窯業系サイディングは丈夫で耐久性があるとされていますが、サビ汁が付着すると、容易に洗い流せない汚れとなって残ってしまいます。
サビ汁は、鉄部への伝染の他に外壁にくっきりとした跡を残すため、建物全体の美観を大きく損ねてしまうことにもつながります。

さらに、太陽光発電や室外機の設置架台の鉄サビが、耐久性の高いガルバリウム鋼板やステンレスに伝染することもあります。
このような設備のもらいサビにも、十分な注意が必要です。

鉄部のサビの進行状況にあった塗装方法とは?

鉄部塗装は、サビの度合いによってメンテナンスの対処の仕方が異なってきます。
サビの度合いは、大まかに分けると以下の通りです。

  • サビがまだ発生していない場合
  • サビの発生が軽度な場合
  • サビの進行がひどい場合
  • サビがひどくて使用に適さない場合

もちろん、全くサビてない場合はサビ落としの必要はありません。
しかし、サビが既に発生している場合は、そのまま塗装するわけにはいきません。
塗装工事では、サビがひどい場合は高圧洗浄や電動工具を使用して、「ケレン」というサビ落とし作業を行い、サビ止め・サビ固めなどの下地処理をしてから塗装します。

ケレン、素地調整の作業

鉄部塗装で既にサビが出ている場合は、サビの部分を落とすケレンという下地処理作業を行います。
ケレンでは酸化鉄を表面から引き剥がしていきますが、この作業で塗装の耐用年数が決まると言っていいほど重要な工程です。

ケレン作業は、塗料の密着性を良くして、塗装効果を長持ちさせるために重要な工程です。
高性能のサビ止め塗料を塗装しても、ケレン作業でサビが除去されていなければ効果を発揮することはできません。

鉄部塗装では、サビの面積や塗膜の割れ、旧塗膜の膨れなどの状態により、ケレンによる下地処理が、1種から4種までに分類されています。

ケレン1種 サビ、旧塗膜を、ブラスト法などで全て除去する
ケレン2種
(サビ面積:30%以上)
ディスクサンダー、ワイヤホイ-ルなどの動力工具を使用し、下塗り塗料は一部残しながらも、旧塗膜を全面的に除去
ケレン3種
(サビ面積:30%未満)
サンドペーパーやワイヤーブラシなどで、サビ、割れ、膨れを除去し、一方、サビてない既存塗膜は残す
ケレン4種 サビ汁や汚れなどを洗い落とし、サンドペーパーなどをかける

一般に、住宅のケレン作業では、サンドペーパーやワイヤーブラシなどでサビを落とします。
また、サビがひどい場合は、ディスクサンダーなどの電動工具で研磨します。

サビが発生していない場合

サビが発生していない場合でも、塗装する前に鉄部の表面に細かな傷を付け、接触面積を広げて塗料がのりやすくします。
この塗料の密着性を高める研磨作業は、「目粗し(めあらし)」と呼ばれ、塗装作業では重要な工程です。

サビの発生がまだ軽度な場合

サビの面積が全体の30%未満の場合は、ケレン3種・4種での対応です。
主に、サンドペーパーやワイヤーブラシ、スクレイパーなどを使って、手作業でサビを除去します。

ホームセンターでも、サビ落し用の工具やサビ止め塗料が購入できます。
大掛かりな作業が必要にならないよう、サビの状態が軽度な段階から、応急処置で対処することがオススメです。

サビの進行がひどい場合

鉄骨の建物で、面積の30%以上にサビが発生している場合は、サビと一緒に劣化した古い塗膜も取り除く、ケレン2種の作業が必要です。
電動のディスクサンダーやワイヤーホイールなどの強力な工具を使って、サビによって腐食した部分を除去します。

サビを根本から除去できなければ塗膜の内側でも進行し続け、膨れや茶色のシミとなって現れるため、ケレン作業はとても重要です。

サビがひどくて使用に適さない場合

サビが奥まで進行してしまい、塗装しても耐久性を持たせることができない場合は、外壁の張り替えや屋根の葺き替えが必要です。
この場合、塗装と張り替え工事のコストを検討するために、専門家に相談することをオススメします。

鉄部のメンテナンスでは、サビる前に手を打つことが最も重要です。
初期の段階から、塗装塗膜の割れ、腫れ、剥離を放置しないようにしてください。

鉄部塗装の工程

鉄部塗装の工程は、まずケレンで表面処理をして、浸透性樹脂塗料で素地調整の下塗りをし、中塗り、上塗りの順に仕上げていきます。

酸を用いた洗浄

酸の洗浄では、塩酸やリン酸を成分とした「脱サビ剤」を使ってサビを洗い落とします。
これはケレンの作業時に行われ、一般に「サビ洗浄」「サビ洗い」と言われています。

リン酸は鉄との相性がよく、鉄部表面に付着したサビを落とすだけでなく、リン酸塩となって「新しい皮膜」を作りサビの発生を防ぎます。
また、酸洗浄を塗装前にしておくと、塗料ののりが良いという効果もあります。

ケレンなどの下地調整とサビ止め、サビ固め

ケレンによる下地調整は、鉄部にできたサビを可能な限り除去する作業です。
一般住宅の鉄部塗装では、サビを除去し、鉄の酸化による腐食を防ぐ下地調整をします。

最新の高圧洗浄機では、サビを含むカビや異物、劣化した塗膜などを、一気に洗い落とすことが可能です。
その後、高圧洗浄で落とせなかったサビを、ケレンでしっかりと取り除くことになります。
高圧洗浄をした後は、十分乾燥させ水分を除去してから、ケレンなどの下地調整やサビ止め塗装をすることが大切です。

下地調整は、業者によっては見積書に「高圧洗浄」とだけ記載している場合があります。
このような場合、手作業によるケレンのサビ落としが含まれているか必ず確認してください。

サビ防止塗料

鉄部への塗装は、サビが発生する可能性があるため「サビ止め塗料」の下塗りから始めます。
サビのない状態でも、鉄の酸化を防止する「サビ止め塗料」は必要です。

サビ止め塗料は、建材の種類やサビの進行に応じて以下のタイプから選びます。

  • 亜鉛・シアナミド鉛を含有しているタイプ
  • 変性エポキシ樹脂で作られているタイプ
  • ウレタン樹脂タイプ
  • エッチングプライマー

住宅の外壁・屋根のサビび止めには、一般的に「エポキシ樹脂タイプ」が使われます。
その中でも、「2液型のエポキシ樹脂」がサビ止め効果が高くオススメです。
「油性タイプ」のサビ止め塗料は、丈夫な塗膜を作り価格も安価ですが、「エポキシ樹脂タイプ」に比べるとサビ止め効果に劣ります。

「エポキシ樹脂タイプ」は防サビ効果が高く、素地への密着性も高いですが、紫外線や風雨、温度変化に弱いという弱点があります。
そのため、適切な仕上げ塗料で上塗りする必要があります。

ちなみに、サビ止め塗料はサビの発生を防止する塗料です。
サビの進行を止めることはできないので注意してください。

サビ固め塗料

「サビ固め塗料」とは、ケレンで取り除けなかったサビに浸透し、固めて進行を防ぐための塗料です。
サビ固め塗料の原料は浸透性エポキシ樹脂で、酸化鉄に浸透して水分を乾燥することでサビの進行を防いでくれます。

つまり、サビを固め、酸素や水を樹脂塗料で完全に遮断するということです。
エポキシで除去できなかったサビを閉じ込めて進行を防ぎます。

中塗りと上塗り

外壁塗装は基本的に塗料を3回重ね塗りしますが、これは鉄部塗装も同様です。
下塗り、中塗りを塗装して、最後に上塗り用の塗料を塗布します。

中塗りと上塗りをすることで、下塗りで行なったサビ止めやサビ固めの効果を保護します。
業者の見積書では、中塗りと上塗りをまとめて「上塗り2回」と表記している場合があり、詳細が分かりにくいことも多いため、全部で何回塗装するのか確認するようにしてください。

上塗り塗料には様々な色や種類があり、耐久年数が長いほど価格は高くなります。

  • アクリル樹脂塗料
  • ウレタン樹脂塗料
  • シリコン樹脂塗料
  • フッ素樹脂塗料

アクリル塗料は安価ですが、サビへの耐久性が低いために、鉄部塗装にはあまり使用されていません。
フッ素塗料は耐久性の高い優れた上塗り塗料ですが、値段が非常に高いです。
そのため現在では、ウレタン樹脂塗料かシリコン樹脂系塗料が、鉄部塗装に広く使われています。

水性塗料と溶剤系塗料

塗料は「水性系」と「溶剤系」に分かれ、一般的に溶剤系の方が丈夫な塗膜を作ります。
塗料の種類によっては、溶剤系のウレタン樹脂塗料が水性系のシリコン塗料よりも長持ちすることもあるほどです。

しかし、溶剤系の塗料は薄め液にシンナーを使うため、塗装中に強い刺激臭が発生します。
また、溶剤は身体に悪いので、使われることは少なくなっています。
近年では、健康や環境を考え、水性系でも溶剤系に劣らない耐久性を持った塗料があるので、そちらの採用を検討するといいかもしれません。

鉄部の細かな塗装はニシムラ塗装にお任せください。

住宅には、意外と多くの場所に鉄の素材が使われています。
きちんと場所を把握し定期的にメンテナンスを実施しなければ、サビが進行して内部まで腐食してしまうおそれがあります。
最悪の場合、張り替えなどの修理が必要となるので注意が必要です。

屋根や外壁、雨戸や雨どい、門扉やベランダの手すりなどなど、サビが発生しやすい箇所をチェックして、タイミングを逃さず適切な塗装をすることが大切です。
特に、スレート屋根の棟板金や太陽光パネルと架台など、見落としがちな鉄部のサビにも注意してください。

もし、外壁の塗装をご検討中なら、私たちニシムラ塗装が力になります。
私たちは、外壁塗装の必要性をお見積もり前にしっかりと現地調査にて判断し、最適なメンテナンス方法をご提案します。
もちろん、鉄部についても無料でしっかりと調査いたしますので、お気軽にお問い合わせください。