写真:塗料

カラーバリエーションの豊富なアクリル塗料は、塗料の中でも価格が安く、以前は外壁塗装として広く使われていました。
しかし、紫外線に当たると劣化しやすく耐用年数が短いため、最近では外壁塗装には向かないと言われています。

ウレタン塗料やシリコン塗料の値段も下がってきたため、近年はアクリル塗料が住宅の外壁塗装に使われることはなくなっています。
しかし最近になって、新しい技術で開発されたピュアアクリルなどの、新タイプのアクリル塗料が注目されています。

今回は、アクリル塗料の特性やメリットとデメリット、新しいタイプのアクリル塗料について説明していきましょう。

目次

アクリル塗料の特性

外壁塗装に使われる塗料には、アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料などの様々な種類があります。
どの塗料も、色のもととなる顔料、添加剤、合成樹脂などから作られています。

添加剤は、塗膜をなめらかにするなど、塗料に特殊な機能を持たせる役割を果たしています。
また、合成樹脂は塗膜を作る主成分となる原料で、顔料を紫外線から保護し、塗装を長持ちさせる役割を担っています。

アクリル塗料とは

アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とした塗料で、1950年頃から製造が始まりました。
アクリル樹脂は、ボールペンなどの事務用品やコップなどの日用品、商業用の看板や照明器具など、日々の生活で身近な多くの製品に使われている樹脂です。
また、水性アクリル絵の具は、乾きやすく色鮮やかな扱いやすい絵の具として有名です。

アクリル樹脂塗料も色を再現しやすく、鮮やかな色を出すことができるため多くの色が作り出されています。
ウレタンやシリコンなどの樹脂塗料と比べて、価格が安いと言うのが魅力で、30年ほど前までは主流の塗料でした。

アクリル塗料の現状

近年塗料の開発が進み、以前は高価だったシリコン樹脂などの性能の高い塗料の価格が下がってきました。
アクリル塗料は劣化しやすく耐用年数が短いうえ、他の塗料との価格差がせばまってきたことで、費用的なメリットが薄れています。
実際、アクリル塗料で塗装してもすぐに塗り替えなければならないため割高になり、外壁のリフォームに使われることはほとんどなくなりました。

しかし、最近になって新タイプのアクリル樹脂塗料が登場して、評価されるようになってきています。
また、旧タイプのアクリル塗料でも、利用目的にあった使用であれば価格面のメリットを出すことができます。
アクリル塗料は一般に、防汚性や耐久性で他の塗料に劣りますが、樹脂の量によってはシリコン樹脂の品質や耐用年数に匹敵するものもあります。

従来のアクリル塗料のメリットとデメリット

外壁塗装でアクリル塗料を使用する場合は、塗料の特性をよく理解してから使うことが必要です。
まず、従来のアクリル塗料について、メリットとデメリットを把握しましょう。

アクリル塗料のメリット:比較的安価

アクリル塗料は、外壁塗装で使われる塗料の中で一番値段の安いものです。
一般的な耐用年数は5~7年となります。

長持ちしませんが価格は安いため、たびたび塗り替えることになる店舗の塗装や、直射日光の影響を受けない室内への使用におすすめです。

アクリル塗料のメリット:ツヤがあり色鮮やか

一般的に、アクリル塗料はカラーバリエーションが豊富で、発色が良く、艶のある鮮やかな色が特徴です。
最初に開発された塗装用の塗料で、過去70年にもわたり多くの色を世に送り出してきました。
そのため、数ある中から好みのカラーから選べます。

アクリル塗料は仕上がりがなめらかでツヤがあり、イベント会場や店舗などではっきりとした目立つ色合いに塗りたいときにはオススメです。

アクリル塗料のメリット:素人でも使いやすい

アクリル塗料の多くが1液型で混合する必要がなく、短時間で固まることもありません。
そのため、DIYの際に素人でも扱いやすい塗料です。
塗り替え時にも、表面塗膜が劣化していなければシーラーレス(下塗り不要)で重ね塗りでき、手間と費用が省くことができます。

外壁塗装の基本は、「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りです。
「下塗り」は「プライマー」「シーラー」と呼ばれる、密着性の高い専用の下地塗料を使います。
アクリル塗料は、ほとんどの外壁材に使用できる密着性の高い塗料で、乾きも早く、下塗り塗料としても有効です。

アクリル塗料のデメリット:耐用年数が短い

アクリル塗料は一般に、耐用年数が5年~7年ほどです。
現在主流となっているシリコン塗料の10年以上と比べると、見劣りしてしまうのは仕方がありません。

塗料の種類
(耐久年数)
備考
アクリル樹脂塗料
(5〜7年)
価格は安いが耐久性が低い
ウレタン樹脂塗料
(8〜10年)
値段が安いため従来は主流だった
シリコン樹脂塗料
(10〜15年)
近年の住宅では主流になっている
フッ素樹脂塗料
(15〜20年)
耐久性はあるが値段が高い

アクリル塗料は、風雨に対する耐候性が低く汚れがつきやすいため、他の塗料よりも頻繁なメンテナンスが必要です。

アクリル塗料のデメリット:塗膜にヒビが入りやすい

一般的なアクリル樹脂は常温では硬くなる性質があり、可塑剤を加えて塗膜に柔軟性を持たせています。
ところが可塑剤は紫外線に弱く、3~5年程度で抜けてしまいます。
可塑剤がなくなると、柔軟性が失われて塗膜がひび割れを起こします。

塗膜が硬くなると、地震の揺れや建物の振動などでも、塗膜にヒビが入りやすくなります。
そのため、特に足場を組む必要のある屋根の塗装には、アクリル塗料は向いていません。

アクリル塗料のデメリット:旧タイプの塗料の生産減少

大手塗料メーカーはシリコン樹脂塗料にシフトしており、アクリル塗料の生産が少なくなってきています。

廃盤商品も出てきているため、以前からお気に入りのアクリル塗料の色が、生産終了になっていることもあります。
アクリル塗料は色数が多いですが、現在では実際に使えるものが制限されることもあるようです。

アクリル塗料の種類と製品

写真:黄色の塗料

塗料メーカーのカタログを見ると、アクリルと名前がついていてもアクリル塗料ではないものもあります。
そこで次に、アクリル塗料と混合しやすい塗料と、現在よく使われているアクリル塗料について見てみましょう。

アクリル塗料と混合しやすい他の塗料

アクリル塗料と混乱されやすい塗料には、「アクリル・ウレタン樹脂塗料」や、「アクリル・シリコン塗料」があります。

「アクリル・ウレタン樹脂塗料」は、アクリル塗料ではなく「ウレタン樹脂塗料」の一種で、ポリイソシアネートとアクリルポリオールを配合したものです。
「アクリル・シリコン塗料」は、アクリル樹脂をベースにシリコンを配合したもので、アクリル塗料ではなく、一般的に「シリコン塗料」と呼ばれています。

日本の主なアクリル塗料

大手3大メーカー(日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研)の代表的なアクリル塗料は下記の通りです。

・日本ペイント:ニッペ水性ケンエースグロス
水性のツヤのあるエマルジョン塗料で、旧塗膜への付着性に優れます。
下塗りなしで重ね塗りでき、カビにも強いのが特徴です。

・関西ペイント:アレスアクアグロス
光沢のある厚い層に仕上がり、水性で臭いもなく、乾燥性に優れた扱いやすい塗料です。
屋外にも使え、下地としても利用できます。

・エスケー化研:水性コンポアクリル
水性の1液タイプで作業性しやすく、塗膜表面がなめらかな塗料です。
ホコリやカビがつきにくい性質を持ちます。

塗料のタイプ

塗料は、使われている樹脂によって、耐用年数が異なってきます。
それに加え、タイプにより様々な違いがあります。

使用方法では、1液タイプと2液タイプがあります。
1液タイプはそのまま薄めて使えますが、2液タイプは硬化剤を混ぜて使用します。
混合すると固まっていくために、作り置きができないのがデメリットですが耐久性は高くなります。

また、塗料のタイプに、油性・水性・エマルジョン(混合)があります。
水性は水で薄めて使う塗料です。
油性はシンナーなどでのばしたもので、耐久性がありますが、匂いがきつく健康への害が懸念されます。

エマルジョンは、油性と水性が混ざり合った塗料です。
環境に優しい塗料のため、外壁塗装においても広く使われています。

新タイプのアクリル塗料

近年、塗料の開発が進み、アクリル塗料でも弾性・耐久性・耐候性・防水性に優れた製品が開発されています。
新タイプのアクリル塗料としては、ピュアアクリルやパーフェクトトップなどが高く評価されています。

弾性アクリル塗料

弾性アクリル塗料は、ゴムのように伸びて下地の動きにある程度の追従できます。
柔軟性を持ち、新築家屋の木材の変形や建物の振動にも対応できるのが強みです。

ひび割れしやすいモルタル壁で、壁自体にクラックを起こした場合でも、弾性アクリル塗料ならば塗膜に入るヒビを防ぐことができます。

ピュアアクリル

ピュアアクリル塗料は、オーストラリアのアステックペイント社が開発した塗料です。
アクリルの不純物を排除することで、アクリル塗料の耐久性の弱さを克服しています。
純度の高いアクリル樹脂に、ポリカーボネート樹脂(有機ガラス成分)を配合することで、透明度や遮熱性を高めています。

一般的なアクリル樹脂に比べて樹脂が大きく、紫外線に破壊されにくいため耐候性にも優れています。
また、樹脂に弾性があり長期にわたり伸縮性を維持するため、ひび割れにも柔軟に対応し防水性も高くなっています。

価格は高めですが、耐用年数がフッ素樹脂と同様の15〜20年です。
耐久性の高いピュアアクリルの素材は、飛行機の窓や水族館の水槽に使われています。

【ASTEC社のピュアアクリル塗料の商品名】
・EC-5000PCM (旧EC-2000F) (水性形一液外壁用防水ピュアアクリル系上塗り材)
・EC-5000PCM-IR (旧EC-2000F-IR) (水性形一液外壁用防水遮熱ピュアアクリル系上塗り材)
・EC-1000PCM(水性形一液屋根用防水遮熱ピュアアクリル系上塗り材)

パーフェクトトップ(ラジカル制御形塗料)

パーフェクトトップは、アクリル樹脂の劣化の原因となる物質(ラジカル)を制御する技術を使って作られた塗料です。
「ポリマーハイブリッド」と呼ばれる技術で、アクリル樹脂に中空ポリマーを加えて、シリコン樹脂やフッ素樹のような耐久性を実現します。

価格はシリコンと同じくらいですが、シリコンよりも耐久性があるとも言われています。

外壁塗装に使用するアクリル塗料の選び方

アクリル塗料も正しく選べば、有効な外壁塗装を実現できます。
塗料は同じ分類やタイプであっても、メーカーや製品によって、成分の含有率や耐久性が異なります。
単に値段が安いとか、耐久性や耐候性が悪いとかではなく、塗装する場所や目的に合わせて塗料を選ぶことが必要です。

たとえば、5年後に取り壊す場合はアクリル塗料でも対応年数に問題ないでしょう。
また、足場が不要な箇所、DIYで塗り替え可能なところに使用することも有効です。

予算や塗装の箇所、希望の色や塗装後のイメージ、工事期間や求める断熱・防水・耐久性などの優先順位を整理することで、必要な塗料の性能も見えてきます。

信頼できる塗装業者に依頼

外壁塗装を検討する際は、自分の希望を正しく伝えて、信頼できる塗装業者に最適な塗料をいくつか選んでもらいましょう。
耐久性と価格について説明してもらい、検討するようにしてください。

外壁塗装の塗料の色を選ぶときは、大きめの色見本を取り寄せてもらいましょう。
色見本を手に入れたら、朝・昼・夜と、実際に屋外で色やツヤを確かめてから決めてください。
また、メーカー記載の耐用年数も、立地条件により劣化の度合いも異なるため、塗装業者に外壁塗装の周期についても聞いておくことが必要です。

外壁塗装の塗料で悩んだらニシムラ塗装にご相談ください

新しいタイプのアクリル塗料も開発されていますが、塗料の選択肢は非常に幅が広いです。
シリコン塗料のような定番商品から、耐久力に優れるフッ素塗料や無機塗料など、様々な塗料を比較して希望を叶えてくれる物を選択するようにしてください。

もし、塗料選びでお悩みなら、私たちニシムラ塗装が力になります。
苫小牧をはじめ、室蘭や千歳でも多数の施工実績を持つため、地域の特性に合った塗料をご提案することができるでしょう。
耐久性の高いピュアアクリル塗料であるアステックも取り扱っていますので、お気軽に特徴などをお問い合わせください。