写真:雨ふっている時の屋根

最近の大型台風や異常気象で住宅の痛みが激しくなり、雨漏りで困っているお宅が増えてきています。
ネットには様々な応急処置の方法が載っていますが、雨漏りにどれだけ効果があるのかわからないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

雨漏りが発生すると住宅の傷みがどんどんひどくなり、修理費も高くなってしまいます。
そのため、できるだけ早めに直しておく必要があります。

雨漏りをおこしている住宅は、台風や大雨でその症状が顕著になりますが、災害発生時は多くの修理の依頼が殺到していて、なかなか良い施工業者を見つけることができません
豪雨などでひどい雨漏りになる前に、早めに雨漏り対策をするにはどうすればいいのでしょう。

今回は、雨漏りの原因調査と雨漏り防止策、雨漏りのリスクを減らすのに有効な外壁塗装について説明します。

目次

雨漏りの原因調査の必要性

一度雨漏りがした箇所は、次の大雨の時にまた雨漏りが発生するため、できるだけ早めに修理をすることが必要です。
雨漏りの原因を見つけるには、まず、雨漏りの状況を詳しく記録して、信頼できる専門の業者に症状を伝えて相談してみましょう。

雨漏りした時の状況観察

雨漏りが発生した際には、その状況を細かく観察して記録しておくことが大切です。
「どのような雨の日に雨漏りしたか」「室内のどの位置で雨漏りがおきているか」「どのくらいの量の水が入ってきたか」「カビの匂いがしていないか」などをメモに残しておきましょう

ネットなどの気象情報を活用し、雨漏り発生時の風向きや降水量を調べて書き留めておきましょう。
また、住宅の築年数や増築・改築の正確な記録も調べておくことも大切です。

雨漏りの修理は素人には難しく、できるだけ早めに業者に依頼して、雨漏りの原因調査をしてもらうことをオススメします
業者に原因調査をしてもらう際に、メモした情報を伝えることで、より早く的確に雨漏りの原因究明を進めることができるでしょう。

修理業者に依頼するメリット

雨漏りの原因箇所が特定できないと、適切な雨漏りの修理ができないため、一度修理をしてもまた雨漏りを繰り返すことになります。
雨漏りの原因となる場所を目視で見つけるのは難しく、多くの場合は、建物が老朽化して複数の箇所から雨漏りをおこしています。

場所を変えて何度も修理をしているうちに、結局は多くの費用がかかってしまい、いつまでたっても雨漏りが止まらないということにもなりかねません。
業者による雨漏り調査は、目視による点検は無料ですが、専門的な機器を使う調査になるとかなりの費用がかかります。
しかし、費用をかけても、雨漏りの原因箇所を究明することは、雨漏りを完璧に直すためには必要です。

業者による雨漏り原因調査

それでは、プロの雨漏り原因調査には、どのような検査方法があるのかみていきましょう。

散水調査

屋根や雨漏りが発生していそうな箇所にホースで散水をして、雨漏りの現象を再現し、雨水の浸入経路を突き止めます。
素人が屋根に登って散水するのは危険ですが、熟練した作業員が長年の感と技術で散水することで、雨漏りの原因を突き止めることができます。

散水調査では、場合によっては安全確保のため、足場を組むこともあり費用や時間がかかりますが、雨漏りの原因を突き止めるのに有効な手段と言えます

赤外線(サーモグラフィー)調査

赤外線調査では、専用の機器を使って建物内部に高度赤外線を当てて、屋根裏や外壁内部をカメラで撮影します。
サーモグラフィーで温度差を察知し、屋根裏や外壁の断熱材に溜まった水を、映像に映し出すことができます。

散水調査では実際に水を流して雨漏りを再現し、浸入経路を突き止めるために時間がかかりますが、赤外線調査では機械で温度差を調べることで、短時間に原因究明ができます。
赤外線調査は機器が高いために費用がかかりますが、雨水の浸入ルートを的確に解析するのに有効な方法です

発光液調査

発行液調査は、発光塗料を混ぜた検査液を建物に流して、紫外線をあてて発光させて流れの経路を突き止めます。
木造や鉄骨コンクリートなど、住宅の建材・構造・工法を問わず、あらゆる建物の雨漏り調査に対応できます。

紫外線を投射して検査液を光らせることで、今まで発見しにくかった雨漏りの箇所も見つけることができ、比較的短時間で検査できます。
色の異なった発光液を使用して、複数箇所の雨漏りが発見できるため、部分的な修理で雨漏りがなおるか、広範囲の修理が必要かなどの判断も的確にできます。

また、発光液の色は天井や壁紙に残らず、人体についても直ぐに洗い流せば問題ないため、安全で有効な検査方法です

従来は経験豊富な専門家が長時間かけて、雨水の浸入箇所を探していました。
しかし今では、新しい技術によって的確に雨漏りの箇所を発見できるようになっています。

雨漏りの対応策と初期対応

大型の台風では多くの家が被災して、なかなか適切な修理業者を見つけることができません。
そのため、次に雨が降る前に、雨漏りの原因箇所をDIYで補修しておくことは、雨漏りの被害を最小限に食い止めるために必要です

雨漏りはなぜ起きる?

住宅の劣化が激しい部分は、防水機能が低下しています。
腐食や欠損を起こし、それが雨漏りの原因となってしまいます。

台風などの自然災害

外壁は、通常、屋根の軒などで守られて、直接大量の雨水が当たることがないため、多少のヒビ割れでは雨漏りすることはありません。
しかし、大型台風などの豪雨では、外壁に大量の雨水がたたきつけられ、壁の亀裂から雨水が浸入して雨漏りを起こすケースが多くなります。

地震による建物のゆがみ

地震による揺れにより、屋根や外壁などの建物の構造部分には大きな負荷がかかります。
屋根や壁を支える構造部の強度が雨水の浸入で弱くなっていると、壁や屋根が大きく揺れて、瓦が割れたり壁表面にヒビが入ったりしてしまうでしょう。

大雨や震災後には、外壁や屋根の傷口から雨水が浸入し、深刻な雨漏りの原因を作るため、特に雨漏りしていないかのチェックが必要です。

雨漏りのチェックポイント

家のメンテナンスを実施するには、雨漏りの原因となる住宅の劣化しやすい部分を定期的にチェクすることが必要です。

  • 外壁のサイディングボードの溝にヒビや剥がれがないか
  • 窓や換気口、玄関の周囲の壁に変色やヒビ割れがないか
  • ベランダやバルコニーにヒビやシミができていないか
  • 部屋の壁紙が剥がれて裏側にカビが発生していないか
  • 天井板にシミやソリがないか
  • 押入れ、天袋、納戸がカビ臭くないか

最新の建材で建てられた新築の家でも、建物は年月の経過で老朽化するのは避けられません。
どれだけ堅固な建物でも、メンテナンスをしなければいずれは雨漏りが発生します。
雨漏りの防止策としては、日頃からの、外壁のメンテナンスが最も重要です。

雨漏りした時の初期対応

雨漏りが発生したら、バケツや布で床や壁などの雨水を取り除く応急処置をします。
しばらくは換気をよくして、室内の水分を取り除くことが必要です。

家の中の雨水を放置しておくと、壁紙やカーペットにカビが生えたり、床材が腐ったり、家具が変形したりする二次災害が起こります
雨漏りの症状が顕著に現れる時には、既に建物の目につかない部分で、さまざまな悪影響がおきています。
できるだけ早急に、雨漏りに詳しい信頼できる業者に相談することが肝心です。

雨漏り原因調査時の注意点

雨漏りの原因を突き止めるには、実際に天井裏に入ったり屋根に登ったりして調べる必要があります。
しかし、雨漏りがすでに発生していると、長期にわたり水が溜まってしまい、屋根の構造部分である野地板(のじいた)や垂木(たるき)が腐っていることがあるので注意が必要です

通常、業者による屋根の調査では、安全を確保した上で作業します。
瓦や屋根の構造に詳しくない素人が、安易に屋根にのぼったり、天井裏に入ったりするのは非常に危険です。
足元が崩れて転落するおそれがあり、一人で高所の雨漏りを調べるのは危険なのでやめましょう。

意外と多い外壁からの雨漏り

写真:コーキング

雨漏りの原因は、屋根ではなく外壁からの雨水の浸入によることも多いです。
外壁の雨漏りしやすい箇所を中心に、定期的に点検することをおすすめします。

外壁からの雨漏りの原因では、

  • 外壁のヒビ割れからの雨水の浸入
  • 外壁材(サイディング)のつなぎ目のコーキング剤の劣化

があげられます。

外壁のヒビ割れ

外壁で特に雨漏りの原因となりやすい箇所は、窓枠や出窓の周囲、玄関や窓の上についたヒサシと壁の接合部分です。
一階の天井の雨漏りは、二階の窓枠と外壁のヒビ割れから雨水が浸入しておきることもあるため、日頃から外壁にヒビ割れがないかチェックしておくことが必要です

外壁のヒビ割れは、ホームセンターで購入できるシーリング剤や補修用テープで塞ぐことができます。
そのため、大雨の前にDIYで応急処置をすることは有効です。

ただし、DIYによるひび割れの補修はあくまで応急処置です。
最終的には、専門業者に修理してもらわなければなりません。
しかし、雨水が大量に家の中に入ることを避けるために、できる範囲の応急処置は有効です。

細かなヒビ割れは、外壁塗装でカバーできます
しかし、外壁の内部にまで達しているクラックは、プロの職人の塗装技術がなければ、完璧に修理することはできません。

コーキング剤の劣化

外壁のつなぎ目は、目地剤でシーリングされています。
しかし、直射日光や風雨で目地剤のコーキングが劣化すると、つなぎ目から雨水が浸入しやすくなります。
サイディングの目地剤は劣化が早く、10年もすれば痩せてきて、ヒビ割れや剥離がおきやすくなります。

目地剤が減ってきたところに補充する修理を「コーキング充填」、剥がれた部分を取り除いてシーリングをやり直すことを「コーキングの打ち替え」と言います。
コーキングは目地の長さによって費用が決まり、「コーキング打ち替え」となるとかなり高額になるため、定期的な外壁塗装でしっかりと目地剤も補填していくことが大切です

また、サイディングボードの裏の防水シートまで破損している場合は、そこから修理をする必要があり、費用はさらに高くなります。

雨漏りの再発防止策

業者に依頼して雨漏りを修理しても、またすぐに雨漏りに悩まされることもあります。
雨漏りの再発防止には、どのようなことに注意すればいいでしょうか。

雨漏りが再発する理由

雨漏りを修理したはずなのに、すぐに再発するのはなぜなのでしょうか?
雨漏りが再発する理由には、

  • 修理すべき雨水の浸入口を間違った
  • 雨水の浸入口が他にも複数箇所あった
  • 問題箇所の補修の仕方が不十分だった
  • 建物の老朽化で、また新たに雨漏りが発生した

などの原因が考えられます。

一般に外壁塗装は、壁を塗膜で覆うため「一次防水」と呼ばれ、外壁の内側に貼る防水シートは「二次防水」と呼ばれます。
一次防水・二次防水を突破して雨漏りした箇所は、建物内に水が流れる経路ができているため、次の雨でもその箇所に水が集まり、雨漏りが再発する構造ができてしまいます。

雨漏りの再発防止策

住宅の雨漏りしやすい箇所を中心に、自分で原因となる箇所を見つけてDIYで応急処置をすることも必要ですが、再発を防止することは難しいのが現状です。
目視による点検には限界があり、建物が古い場合は一箇所を修理してもまた、他の箇所からの雨漏りに悩まされます。
そのため、赤外線や蛍光液を使った専門家による雨漏りの原因調査は、費用はかかりますが、根本的な原因究明に必要不可欠と言えます

雨漏りの再発防止策は、信頼できる業者を選び、雨漏りの原因を根本的に修理することでしょう。
また、外壁塗装をする時に、雨漏りの箇所を修理できるため、外壁塗装は有効な雨漏りの再発防止策です。

定期的な外壁塗装の重要性と防水効果

外壁塗装は単なるペンキ塗りと思われがちですが、外壁を風雨や紫外線から守り、住宅を長持ちさせる重要な役割を担っています
足場を組んで外壁や屋根の塗装をする際に、ヒビ割れやコーキングなどの補修も一緒にしてもらえるので、住宅を長持ちさせるのにとても有効です。

外壁塗装の重要性

外壁塗装の表面が劣化すると壁の内側に雨水が浸入し、家の内部へ水が流れる経路ができ、やがては深刻な雨漏りに発展します。
雨水が入ってくる状態を放置すると、内壁や天井裏が腐ってきて建物の寿命も縮んでしまいます。

当然、修理費もどんどん高額になっていくため、できるだけ早い時点で、雨漏りの原因箇所を見つけて修理することが大切です。
外壁塗装で足場を組んだ際に、屋根や壁のヒビ割れやつなぎ目の補修工事を同時に行い、建物表面の防水機能を維持しましょう。

外壁塗料の種類

耐用年数の長い樹脂成分の塗料は、それだけ長く外壁を紫外線や風雨から守り、しっかりとした塗装塗膜で壁の内側への雨水の浸入を防いでくれます。
しかし、塗料は紫外線に弱く、樹脂の耐用年数がすぎると、表面の塗膜が劣化して防水効果がなくなります。

シリコン樹脂やウレタン樹脂など、塗料に混ぜられた樹脂成分によって耐用年数と値段が異なります。
現在の日本の住宅ではシリコン樹脂塗料が主流で、値段はウレタン樹脂よりも高くなりますが、次の塗り替えまでのスパンが長くなるため費用対効果でメリットがあります
しかし、様々な新しいタイプの塗料も開発されており、住宅の構造や建材、立地条件や気候などに合わせて最適な塗料を選ぶことが大切です。

ウレタンの防水効果

ウレタン樹脂は、柔らかくて伸縮性があり密着度が高いため、数回重ね塗りをすれば、しっかりとした塗膜の防水層を作ることができます。
ウレタン樹脂はどのような建材にも塗れて、壁のつなぎ目の細かな部分や、複雑な形状の壁面にも塗りやすく、塗料が定着しやすいのが特徴です

ウレタン樹脂塗装は古くからある施工方法で、熟練した職人も多く短期間で作業できます。
また、シリコン樹脂よりも値段も安く、雨漏りの応急処置に向いています。

FRPによる防水効果

FRPは、「ガラス繊維強化プラスティック」の略語です。
硬質の防水性の高い塗膜を作る塗料で、ベランダの防水加工に広く使われています。

表面を5層の塗膜でしっかりと覆うため、防水性が高いです。
さらに、軽量で工事も短期間で済みますが、施工時の匂いが気になる人もいます。
FRPは耐久性があり、防水効果が長持ちしますが、地震などの揺れでヒビが入りやすく、廃棄する際に産業廃棄物としての費用が発生するデメリットがあります

雨漏りを予防する外壁塗装はニシムラ塗装にご相談ください

住宅は年月が経つと、外壁塗装の劣化でできたヒビ割れや、外壁ボードのつなぎ目から、壁の内側に雨水が入ってきます。
そのため、雨漏りを防止するためには、適切な外壁塗装のメンテナンスも不可欠といえるでしょう。
メンテナンスを怠り、雨漏りが発生してしまってからでは、修理に外壁塗装以上の費用が掛かってしまいます

もし、外壁塗装の劣化が気になるということであれば、私たちニシムラ塗装が力になります。
私たちは、苫小牧市で一番の施工実績を持っており、非常に多くのお客様にご満足いただいております。
一度、外壁塗装を施工したお客様には、定期的に無償で定期点検も実施しておりますので、安心してご相談ください。